どっちつかず… 1
いつだったか、昔、別れるのか別れないのかワケのわからない関係だったこともありました。
その頃の話です。
〈紹介するんじゃなかった……〉
リカのことも許せなかったけれど、和也のことも腹が立った。
でもあたしってだめなんです。
和也のこと、忘れられないの。
きっぱり別れるだけのふんぎりがつかない。
あたしはアルバイトの会社を辞め、給料は安かったけど、なるべく業界に近い空気を吸いたかったので、派遣会社を通じて地方放送局の東京支社総務課に就職しました。
ある週末、独りで和也の生まれ故郷沼津に行き、彼の家の近くにホテルをとり、朝六時に起きて、和也が幼いころ通ったという幼稚園、小学校、そして中・高校を回った。
写真もたくさん写した。
――今、沼津に来ています。
和也の育った街を見たかったの。
あたしも好きになりそうな街です。
一生こんなところで暮らしたい―と、和也に手紙を書いたんです。
「おまえ、行ったのか」彼から電話があり、その後再び和也との付き合いが復活しました。
付き合いは以前とまったく同じだったけど、言葉がないの。
女としては、愛してるとか好きだとか言ってくれないとね……、不安なんです。
和也の就職が静岡の企業に内定し、会える会えないなんて、たわいのない理由で喧嘩したり、お互いの部屋で会ったりしながら、半年ばかりが過ぎていきました。